大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和26(あ)2266 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人前堀政幸の上告趣意第一点について。

原判決の是認した第一審判決の認定した判示第二の事実摘示は、所論のように、

被告人が終戦前から昭和二四年九月一日までの間、前記A方において、塩酸ヂアセ

チルモルヒネ一三・五瓦を所持していた旨判示しているが、本件記訴状の罪名、罰

条、第一審判決の擬律と右摘示事実とを対比すると、右認定事実は、原判決の説示

しているとおり、「終戦前から」なる文言は、所持の経過的説示にすぎないもので

あつて、麻薬取締法施行の日から昭和二四年九月一日まで判示場所において判示麻

薬を所持していた犯罪事実を認定した趣旨であることは明瞭である。されば、所論

違憲及び判例違反の主張は、原判示に副わない事実関係を前提とする主張に帰し、

刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

同第二点について。

原判決の是認した第一審判決の認定した判示第一の犯罪事実は、結局厚生大臣に

対する昭和二三年一〇月三一日現在による法定の麻薬年間受払報告を為すにあたり

判示品名数量の報告を為さなかつた事実であつて、所論のごとき昭和二三年七月一

〇日麻薬取締法六五条によつて廃止された麻薬取締規則による報告義務違反の事実

を認定したものでないことは明白である。されば、所論は、原判示に副わない事実

関係を前提とするに帰し、これまた、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記

録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和二九年一月一四日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 真 野 毅

裁判官 斎 藤 悠 輔

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